2007年5月24日木曜日

19th of May 2007 : Another HERO



デリーの、人生最初で最後となる完投勝利の興奮冷めやらぬ中、実はもう一人のヒーローがうっかり誕生していた。

その男の名は【クロス】。

ユニホームも自分で洗い上げてしまう器用さと、『J’sのリチャード・ギア』と自分で名乗ってしまうほどの度胸を兼ね備えたこの男。
デリー同様、既に帰国が決まっているが、本当に野球が巧く、J’s内でも一目置かれていた珍しい存在。
不惑を超えたカラダに鞭を打ち、なんとその日、人生で初めて公式戦のマウンドに上がっていた。

今年から始まったDVH-3(J’sの親チーム)へのヘルプ事業。来年、ユースから数選手が上がってくるため、人数が苦しい今年だけJ’sから選手を借りたいと言う要請に対して、NOと言えない日本人達は毎週数名を派遣している。
しかも、ただでさえ投手不足のJ’sに対して、あろう事か、投手の派遣を要求してくる。
前日、マロの号令の下、J’s内での投手狩り(参加出来る、且つ、投げられる)が始まったが、だれもエアマックスを履いていない。
ダメ元でマロが掛けた電話にあの男が快諾した。
マロのメールによると、『J’sのロバート・デ・ニーロが投げてくれます!』とあったが、グランドに来てみると、マウンドにはリチャード・ギアがいた。
デ・ニーロはマロの勘違いだったのだろう。


初回から快調に投げるリチャード。
3回まで毎回の5奪三振!!
緩緩(【緩急】の【急】が無い)を自在に操り、ヒットを打たれると必ずマウンドでズッコケる(死語)。
主審を勤めたドゥンガも、リチャードの曲がらないカーブ(要はスローボール)にタジタジ。『ス、ボール(曲がってストライクになるかと思いきや、曲がらないので結果ボール)』が多くなる。

素晴らしいコントロールでバッタバッタと打者を打ち取っていくリチャード。
DVH-3が所属している6部の規定では2時間で試合が終了するのだが、試合はリチャードと相手投手との投げ合いの様相を呈し、1時間ちょいで5回まで終了していた。
更に、味方セカンドの、トンネルしたかと思うと、急にダブルプレーを取ったりする、かなりの気分屋さんプレーにブチキレ寸前のリチャード。

そんなリチャード、無四球のまま8回まで投げ、3失点の堂々たる成績!!
打っては、センター前に素晴らしいヒットを放ったかと思うと、ピッチャーフライの際に走らず、結局落球したにも関わらずアウトになってしまい、塁審のマロに叱られる始末。
8回裏の攻撃、この時点で1時間30分を過ぎていたのだが、『もう投げたくない、もう投げたくない』と、オランダ人に日本語で連呼するリチャード。
投手としては有るまじき消極的な姿勢と発言の彼。
しかし、8回裏に1点差を逆転すると、残りは10分。
またマウンドに行くのかと思いきや、当然のように試合終了を告げる整列に向かうリチャード。
そんなリチャードにつられ、整列するオランダ人達。
相手チームのブーイングの中、試合は厳かに終了した。


投打に活躍したリチャード。
完投後、マロに夕食を誘われたが、参加メンバーを聞いてから断るリチャード。
素晴らしいプレーから、自己中心的な行動まで、最後までリチャードらしい姿を見せてくれた一日だった。

くろっさん、ご帰国までに一度はJ’sで投げてくださいね!!

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